山水・古跡に託された心、自然の移ろいの見事さ、女性の切ない恋心、血の滴るような哀歌、漂泊の果てに辿りついた境地・・・。名作に託された詩人たちの魂に迫る一冊です。

突きつめて言えば、漢詩は志の現れであり、魂の歌である。それらに託された詩心に迫るためには、行間に見え隠れする詩人たちの魂を凝視し、その喜びや悲しみの叫びに耳を傾け、そして感情がほとばしる心の脈動をとらえなくてはならない。
もくじ情報：第１章　人と自然（山水、古跡に託された心；望郷のうた　ほか）；第２章　風流詩情（最古の恋歌；女性の切ない恋心　ほか）；第３章　詠史―歴史をよむ（開公帝王の孤独と亡国君主の悲哀；波瀾の時代を生きる）；第４章　言志―人生の真意を問う（遁世と出世；心の香り）；付録　漢詩の技法について（「絶句」とは何か；「押韻」とは何か　ほか）

荘　魯迅(ソウ　ロジン)
１９５６年上海生まれ。画家であった両親は文化大革命で拘束され、祖母に育てられる。芸術大学をめざすが、出身家庭が問われ、不合格となる。８０年歌手デビュー。８８年来日。修学１年半で日本語一級検定試験に合格、東洋大学文学部国文学科に入学、大学院修士課程に進む。現在、音楽活動の傍ら、和光大学（非常勤講師）などで漢詩や中国の歴史を教える（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）