竜・鬼・天狗・河童・安倍晴明・空海など、山岳異界のキーワードを、解釈学の力を援用しつつ読き解き、深山のマッドな様相を肌身に感じながら、死と再生、聖と俗、恐怖と崇拝、霊異と神秘を包含するマンダラの世界へといざないます。

異界を疾駆するのは、カミか、モノノケか。竜、鬼、天狗、怨霊、安倍晴明、空海など山岳異界のキーワードを読み解きつつ、死と再生、霊異と神秘を描くマンダラ絵巻。
もくじ情報：第１章　山の過去帳（吹奏される霊性；失踪する仏壇；ケガれる人体　ほか）；第２章　異界の住人たち（鬼の足跡；天狗の団扇；狐の提灯　ほか）；第３章　妖かしの大先達（祖の祖；祖の一　役行者；祖の二　陽勝　ほか）；第４章　験者の文化コード（開山が意味するもの；霞が意味するもの；温泉が意味するもの　ほか）；第５章　怨みの唐揚（生霊症候群；陰陽血花式；密教大秘劇　ほか）；第６章　謎としての密教（なぜ性を避けるのか；なぜ雨を降らせるのか；なぜ物質は私語するのか　ほか）；第７章　マンダラの気圧配置（金剛界・濃霧；胎蔵界・猛暑）

滝沢　解(タキザワ　カイ)
１９３３年東京生まれ。上州禅寺に育つ。早稲田大学卒。劇作家。劇画原作家。自称「東京優婆塞」。信州信濃にて「追分小劇場」主宰。２００３年没