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セロはクリスマスが大嫌い。クリスマスはいつも、おとうさんもおかあさんも家にいないから。おかあさんはデパートの仕事がいそがしくて留守だし、おとうさんは、毎年冬が近づくと、家を空けがちになり、クリスマスの日は、どこかにでかけたまま帰ってこないのです。 10歳になったセロはおかあさんに思い切ってきいてみます。「どうして、おとうさんはクリスマスがちかづくと、家に帰ってこなくなるの?」。おかあさんの答えは驚くようなものでした。そのにわかには受け入れがたいおとうさんの秘密を通して、セロは、それまでそれが全てだと思っていた、自分だけの小さな閉じた世界と隣り合わせに、たくさんの世界があることを知ります。そし…(続く)
セロはクリスマスが大嫌い。クリスマスはいつも、おとうさんもおかあさんも家にいないから。おかあさんはデパートの仕事がいそがしくて留守だし、おとうさんは、毎年冬が近づくと、家を空けがちになり、クリスマスの日は、どこかにでかけたまま帰ってこないのです。 10歳になったセロはおかあさんに思い切ってきいてみます。「どうして、おとうさんはクリスマスがちかづくと、家に帰ってこなくなるの?」。おかあさんの答えは驚くようなものでした。そのにわかには受け入れがたいおとうさんの秘密を通して、セロは、それまでそれが全てだと思っていた、自分だけの小さな閉じた世界と隣り合わせに、たくさんの世界があることを知ります。そして、彼の小さな閉じた世界は、そのいろんな世界に向かって開かれ、おおきく広がっていきます。この小さな男の子の物語には、さびしさも楽しさもあたたかさも、あらゆるクリスマスのイメージがつまっています。
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