内容紹介：日本書紀を歴史研究の対象ではなく“捜査対象”と見る。話の中身ではなく、話の出どころを追う。前半は「国策介入」の解明。復元した在位を事例で検証し、外国の年表と対照する。後半は「虚偽記載箇所」の洗い出し。復元した年齢で系図を検証し、上古の事件を１つ１つ取り調べる。さらに「記録した人々」の供述を突き合わせ、古事記と日本書紀、神話と歴史、ヤマトと邪馬台国の関係を明かす。なお、復元した在位からは小さな国ヤマトの建国は１８２年、邪馬台国平定は３５５年などという『リアルな古来の伝承の数々』が湧き出る如く甦る。
８世紀の国史・日本書紀はそれ以上でもそれ以下でもない。だが、粉飾の紀年を元の姿に復元するとその真価が現れる。日本の建国は西暦１８２年、今年で１８４３年、世界最古の国。～在位５倍説、崩御年齢２倍説、飯豊在位５年説～。
もくじ情報：捜査対象「日本書紀」～テーマと概略～；在位の復元～年表作成～；年齢の復元～親子関係の可能性～；事例の検討～改ざんの痕跡～；記録の対照～論より証拠～；捜査的な視点～行動理解の公式～；上古通史～王・大王の大業～；事件史；古事記と日本書紀の関係；神話；邪馬台国～論争の起源と決着～；付記～歴史観～

諸岡　実(モロオカ　ミノル)
１９５２年生まれ、明治大学法学部卒業。警視庁巡査拝命、保安・盗犯・知能犯・交通特殊犯などの捜査部門を経て警視庁暴走族対策室長で定年退職（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）