なぜフランスは敗れたのか──〈暗い時代〉を真摯に生き、後にナチスの銃弾に斃れた歴史家の迫真の手記。

一九四〇年、ドイツ軍の電撃戦の前に、ダンケルクへと潰走する英仏連合軍。フランス軍参謀将校として従軍していたブロックは、そのただなかで苦闘しながら、自問していた―なぜフランスは敗れたのか、と。ひとりの市民として“暗い時代”を真摯に生き、レジスタンス活動のなかでナチスの銃弾に斃れた、この卓越した歴史家による手記は、今なおさまざまな問題を私たちに投げかける。ブロックの最期を生々しく伝えるＧ・アルトマンの序文、および政治学者Ｓ・ホフマンの新版序文を付す。待望の新訳。
もくじ情報：第１章　証人の紹介；第２章　ある敗者の証言；第３章　あるフランス人の意識の検証

ブロック，マルク(ブロック，マルク)
１８８６‐１９４４。２０世紀を代表する歴史家。１９２９年、リュシアン・フェーヴルと共同で『アナール』誌を創刊。『封建社会』『王の奇跡』『フランス農村史の基本性格』『歴史のための弁明』などを著し、現代歴史学の形成に大きく寄与した。１９４４年３月、レジスタンス活動中にゲシュタボに逮捕され、同年６月１６日、銃殺