日本の哲学の記念碑的著作である『善の研究』が刊行されて百年、内外の研究者が結集して、この著作の影響力の大きさについて論じる。

明治４４年に刊行された『善の研究』は、日本哲学が自立した歩みを始めたことを示す記念碑的な著作であり、その後の日本の哲学に多大な影響を与えた。『善の研究』刊行百年にあたって、国内外の研究者を結集して、『善の研究』が現代においてもつ意義、役割について徹底して論じる。
もくじ情報：『善の研究』をめぐる研究の百年とその将来；第１部　『善の研究』はどういう書物か（『善の研究』という書物―著者・西田幾多郎の位相；純粋経験と意味　ほか）；第２部　『善の研究』と自由・悪・神の問題（『善の研究』と後期西田哲学―自由と悪の問題をめぐって；西田幾多郎の倫理思想―絶対者の呼声をめぐって　ほか）；第３部　西田哲学との対話（身体と種―西田哲学と田辺哲学；京都学派の宗教哲学の一考察―西田哲学と田辺哲学の「逆対応」をめぐって　ほか）；第４部　シンポジウム『善の研究』はどのような意味をもったか、どのような意味をもつか（『善の研究』と西田哲学における失われた場所；哲学と神秘の間―海外より見た西田哲学　ほか）

藤田　正勝(フジタ　マサカツ)
１９４９年三重県生まれ。京都大学文学研究科教授。専攻は日本哲学史（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）