元特攻学徒兵は『永遠の０』をどう観たか？戦後７０年の今、多くの人々の感動と涙とを誘った百田尚樹作品を通して考える歴史への向き合い方。
もくじ情報：第１部　小説『永遠の０』を検証する（「魅せられた魂」が生まれた所以（理由）；感動を呼ぶ「決めゼリフ」は、はたして可能であったか？；「ゼロの消（滅）点」―『永遠の０』のリアリティの蒸発　ほか）；第２部　映画『永遠の０』を検証する（物語と人物設定；作品の魅力（多くの読者を獲得し、観客を動員した力）はどこにあるのか；作品を読んだ後、見た後で考えたいことは何か　ほか）；第３部　元特攻学徒兵が観た『永遠の０』（「死にたくない」と公言する搭乗員に違和感；軍隊のもつ暴力性の描写が不十分；回天は無茶苦茶な兵器　ほか）

秦　重雄(ハタ　シゲオ)
１９５３年大阪市生まれ。立命館大学文学部（日本文学専攻）卒業。現在、公益社団法人部落問題研究所主任研究員、日本社会文学会理事