内容紹介：七十歳をすぎてなお数々の傑作を書き続けた文豪谷崎の生涯は、一方でスキャンダルと逸話にみちた生涯でもあった。本書は伝説や通説に惑わされることなくその実像に肉迫する本格的評伝である。
七十歳をすぎてなお数々の傑作を書き続けた文豪谷崎の生涯は、一方でスキャンダルと逸話にみちた生涯でもあった。三度の結婚、妻譲渡事件、人妻との密通、あいつぐ発禁―本書は伝説や通説に惑わされることなくその実像に肉迫する本格的評伝である。「文庫版のためのあとがき」、人名索引を付す。
もくじ情報：作家の「誕生」；汽車恐怖症前後；長男としての潤一郎；結婚と支那旅行―大正中期の谷崎；小田原事件―佐藤春夫と妻千代；関東大震災前後―横浜から関西へ；妻君譲渡事件と和田六郎―昭和初年の谷崎；古川丁未子の真実―谷崎第二の妻；「松子神話」の完成まで；谷崎をめぐる人々；『源氏物語』から敗戦まで；京の谷崎―戦後の日々；渡辺千萬子と晩年の谷崎；「女中奇譚」と「猫犬記」；終焉

小谷野　敦(コヤノ　アツシ)
１９６２年（昭和３７）茨城県生まれ、埼玉県育ち。東京大学文学部英文科卒業、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士（比較文学）。大阪大学言語文化部助教授、国際日本文化研究センター客員助教授などを経て、文筆業。２００２年、『聖母のいない国』でサントリー学芸賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）