内容紹介：東日本大震災以降に、登山のあり方はどう変わり、なぜ山の遭難が増えたのかを検証しつつ、身の安全をどう確保すればいいかを考える。
二〇一〇年以降、とくに目立つようになったのが、道迷い、疲労や体調不良、装備・技量不足による山の遭難である。そこに共通しているのは登山に対する“認識の甘さ”だ。スマホやＳＮＳの普及が山登りを身近にした一方で、自分の行動に自覚と責任を持てない人が増える傾向にある。登山が多様化・レジャー化するなかで、山岳遭難にどう対処すべきか。近年に特徴的な遭難事例や進む対策を紹介し、安易な山登りに警鐘を鳴らす。
もくじ情報：第１章　二〇一〇年以降に起きたおもな遭難事故（四件も続いた負の連鎖；日高山系で相次ぐ沢の事故　ほか）；第２章　自然災害と山登り（東日本大震災；北アルプス南部の群発地震　ほか）；第３章　進化する遭難対策（長野県の新たな取り組み；「登山届」のデジタル化　ほか）；第４章　登山の自己責任について（原則、登山は自己責任だが…；自己責任だから遭難者を助ける必要はない？　ほか）；第５章　コロナ禍で登山が変わった（新型コロナウイルスのはじまり；不要不急の外出、登山は自粛せよ　ほか）

羽根田　治(ハネダ　オサム)
１９６１年埼玉県生まれ。ノンフィクションライター。長野県山岳遭難防止アドバイザー。山岳遭難や登山技術の記事を、山岳雑誌「山と溪谷」「岳人」などで発表する一方、自然、沖縄、人物などをテーマに執筆活動を続けている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）