内容紹介：桶狭間の合戦の後、松平元康は今川家からの独立を目論む。　名前を家康と変え、妻の瀬名と人質になっていた嫡男竹千代を今川家から取り戻し、信長の娘と結婚させて同盟を結ぶが……。傑作歴史長篇の文庫化。
織田信長が今川義元を討ち取った桶狭間の合戦の後、松平元康は今川家からの独立を決意する。家康と改名し、人質になっていた妻の瀬名と嫡男竹千代（のちの信康）を今川家から取り戻した彼は、息子を信長の娘と結婚させて織田家と同盟を結ぶ。そして家康は、遂に遠江の攻略を開始する。だが、今川の血を引く妻と、義父信長に憧憬を抱く息子は、家康の思いとは次第に離れていく…。著者渾身の傑作歴史長篇。

上田　秀人(ウエダ　ヒデト)
１９５９年大阪府生まれ。歯科医師。９７年に第２０回小説クラブ新人賞佳作に入選しデビュー。２０１０年『孤闘　立花宗茂』で第１６回中山義秀文学賞受賞。１４年「奥右筆秘帳」シリーズで第３回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。２２年「百万石の留守居役」シリーズで第７回吉川英治文庫賞を受賞。２０２５年３月逝去（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）