内容紹介：いつだっただろうか。ふと義母が言った「言葉」に私は救われた──マレタイムでいこう。その言葉は大好きなホットコーヒーを飲んだ時のように心の奥に沁み込んでいき、どうしようもない現実に、ただ悔しく、悲しむことしかできなかった私を救ってくれた。そうだよ。希のペースで、希の時間でゆっくりやっていけばいい。大丈夫、私は生きている。
“マレタイムでいこう”ダウン症の息子の名は“希（まれ）”。レゲエの神様から頂いた名前だ。イタリア語で“海”という意味もある。希は私たち夫婦の希望だ。文芸社×毎日新聞（営業総本部）「第２回人生十人十色大賞」長編部門最優秀賞作品。
もくじ情報：はじまり；妊婦生活；負けない強さ；ｎｏ　ｗｏｍａｎ　ｎｏ　ｃｒｙ；出産；試練；押し寄せる波；一喜一憂；新たな波；生き抜く力〔ほか〕