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内容紹介・もくじなど
著者プロフィール
ド・フリース,ヤン(ドフリース,ヤン)
カリフォニア大学バークレー校歴史学部・経済学部名誉教授。専門はヨーロッパ経済史、オランダ経済史。数量分析と新古典派理論を用い、近世史研究の第一線で活躍し続けている。1998年に、A・ファン・デァ・ワウデとの共著『最初の近代経済―オランダ経済の成功・失敗と持続力1500‐1815』(名古屋大学出版会より2009年に邦訳出版)でアメリカ経済史学会のジョルジ・ラーンキ賞を受賞、2000年に、ヨーロッパ経済史の先駆的な研究により、ハイネケン賞(歴史学部門)を受賞した ド・フリース,ヤン(ドフリース,ヤン)
カリフォニア大学バークレー校歴史学部・経済学部名誉教授。専門はヨーロッパ経済史、オランダ経済史。数量分析と新古典派理論を用い、近世史研究の第一線で活躍し続けている。1998年に、A・ファン・デァ・ワウデとの共著『最初の近代経済―オランダ経済の成功・失敗と持続力1500‐1815』(名古屋大学出版会より2009年に邦訳出版)でアメリカ経済史学会のジョルジ・ラーンキ賞を受賞、2000年に、ヨーロッパ経済史の先駆的な研究により、ハイネケン賞(歴史学部門)を受賞した |
エンクロージャーによる新たな労働者層の誕生や安価な石炭の存在など、工業化に必要な要素がそろっていたとしても、それを実行に移すモチベーションがなければ、産業革命など起こるはずがない。本書は、これまで一貫して、この歴史学の空白地帯であったモチベーション―「消費願望」―について考察を展開してきた第一人者による、画期的研究である。産業革命はヨーロッパ世界を経済発展に導く契機となったが、それには人々の消費行動を変えた「勤勉革命」(Industrio…(続く)
エンクロージャーによる新たな労働者層の誕生や安価な石炭の存在など、工業化に必要な要素がそろっていたとしても、それを実行に移すモチベーションがなければ、産業革命など起こるはずがない。本書は、これまで一貫して、この歴史学の空白地帯であったモチベーション―「消費願望」―について考察を展開してきた第一人者による、画期的研究である。産業革命はヨーロッパ世界を経済発展に導く契機となったが、それには人々の消費行動を変えた「勤勉革命」(Industrious Revolution)と呼ぶべき、産業革命に先行する社会現象がきわめて重要な役割を担っていた。そう、「あれも欲しい、これも欲しい」という人間の欲望の高まりが現金収入の必要性を生み、人々を労働市場に駆り立て、産業革命のうねりを作り出したのである。
もくじ情報:第1章 「長い一八世紀」における消費者の欲望の転換;第2章 勤勉革命の歴史的起源;第3章 勤勉革命―労働力の供給;第4章 勤勉革命―消費需要;第5章 大黒柱と内助の功;第6章 第二次勤勉革命