両親に家を追い出されて以来、イギリス中をさまよったケイトは、半年前にとうとう無一文になってしまった。運よく、湖水地方にある主人不在の伯爵邸で家政婦の仕事を得て、ほかの使用人と屋敷の切り盛りをしながら平和に暮らしていた。だがある日、主人である伯爵ヘンダーソン卿が突然イタリアから帰国。２人の妻を妊娠と出産で亡くした過去を持つ彼は、不幸な思い出の残る屋敷を売り払うために帰ってきたのだ。ケイトは思いとどまらせるため、伯爵を楽しませようと心を砕くうち、いつしか密かな恋心を抱くようになっていった。そうとも知らず、彼はケイトにひとときの愛人契約を持ちかけて…。

マーティン，ローラ(マーティン，ローラ)
イギリスのケンブリッジャーに夫とともに暮らし、医師として働きながらヒストリカル・ロマンスを執筆している。余暇は読書に没頭し、興味をそそられる物語であれば、その日のうちに読みきってしまうこともある。また、旅行も大好きで、特に歴史的な場所や遠く離れた土地を訪れるのを好んでいる（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）