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内容紹介・もくじなど
著者プロフィール
芥川 龍之介(アクタガワ リュウノスケ)
1892年東京生まれ。東大在学中に豊島与志雄や菊池寛らと第三次「新思潮」を発刊。1916年に発表した「鼻」が夏目漱石に激賞され、続く「芋粥」「手巾」も好評を博す。後年は厭世的人生観に拠った作品を手がけ、また小説の「筋」をめぐり谷崎潤一郎との文学論争に至った。1927年「ぼんやりした不安」から睡眠薬自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 芥川 龍之介(アクタガワ リュウノスケ)
1892年東京生まれ。東大在学中に豊島与志雄や菊池寛らと第三次「新思潮」を発刊。1916年に発表した「鼻」が夏目漱石に激賞され、続く「芋粥」「手巾」も好評を博す。後年は厭世的人生観に拠った作品を手がけ、また小説の「筋」をめぐり谷崎潤一郎との文学論争に至った。1927年「ぼんやりした不安」から睡眠薬自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) |
お釈迦さまが散歩の途中、極楽の蓮池の下をのぞき込むと、〓陀多という男が血の池でもがいているのが見えた。人を殺したり放火をしたり、さまざまな悪事を働いた末に地獄に落ちた〓陀多を見てお釈迦さまは、彼が生前、蜘蛛を踏みつぶそうとして思いとどまったことを思い出した。そ…(続く)
お釈迦さまが散歩の途中、極楽の蓮池の下をのぞき込むと、〓陀多という男が血の池でもがいているのが見えた。人を殺したり放火をしたり、さまざまな悪事を働いた末に地獄に落ちた〓陀多を見てお釈迦さまは、彼が生前、蜘蛛を踏みつぶそうとして思いとどまったことを思い出した。そこでお釈迦さまは彼をめがけ蜘蛛の糸を地獄の底へたらしたが―。