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内容紹介・もくじなど
著者プロフィール
松家 仁之(マツイエ マサシ)
1958年、東京生まれ。編集者を経て、2012年、デビュー長篇『火山のふもとで』を発表。同作で読売文学賞受賞。2013年『沈むフランシス』、2014年『優雅なのかどうか、わからない』、2017年の『光の犬』で河合隼雄物語賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞、2021年『泡』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 松家 仁之(マツイエ マサシ)
1958年、東京生まれ。編集者を経て、2012年、デビュー長篇『火山のふもとで』を発表。同作で読売文学賞受賞。2013年『沈むフランシス』、2014年『優雅なのかどうか、わからない』、2017年の『光の犬』で河合隼雄物語賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞、2021年『泡』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) |
浅間山のふもとにある「夏の家」で、村井俊輔は所員とともに「新宮殿」の設計を進めてゆく。村井の恋人、園芸家の藤沢衣子は、皇太子御成婚の立役者である東宮参与・小山内に依頼され、美智子妃の庭園の御用掛、相談役をつとめるようになる。緑青がうつくしい銅板葺きの緩やかな屋根、玄関ホール天井のやわら…(続く)
浅間山のふもとにある「夏の家」で、村井俊輔は所員とともに「新宮殿」の設計を進めてゆく。村井の恋人、園芸家の藤沢衣子は、皇太子御成婚の立役者である東宮参与・小山内に依頼され、美智子妃の庭園の御用掛、相談役をつとめるようになる。緑青がうつくしい銅板葺きの緩やかな屋根、玄関ホール天井のやわらかなダウンライト、おびただしい数の障子が醸しだす静謐さ、人の目に触れ、手に触れる、建具や手すりなど木工造作のディテール…。村井が描く「新宮殿」の姿が次第に明らかになるにつれ、天皇の侍従・西尾が案じていたとおり、宮内庁の牧野が分を超えた采配を振りはじめる。―関東大震災から戦中・戦後、高度成長期まで、激変する日本社会を背景に、理想の建築をめぐる息詰まる人間ドラマを描き尽くす大河小説。