世界探偵小説全集　３１　『ジャンピング・ジェニイ』

小説家ロナルド・ストラットンの屋敷で開かれた“殺人者と犠牲者”パーティの席上、ヒステリックな言動で周囲の顰蹙をかっていた女性が、余興として建てられた絞首台の上で首吊り死体となって発見された。すべての状況は一時的衝動による自殺を示していたが、ある致命的な事実に目をとめたロジャー・シェリンガムはひそかに調査を開始した…。

バークリー，アントニイ(バークリー，アントニイ)
１８９３‐１９７１。本名アントニイ・バークリー・コックス。ユーモア作家として出発した後、“？”名義で、名探偵ロジャー・シェリンガム登場の探偵小説第１作「レイトン・コートの謎」（２５）を発表。以後、バークリー名義で「毒入りチョコレート事件」（２９）、「第二の銃声」（３０）、「試行錯誤」（３７）などの独創的なアイディアに満ちた探偵小説、フランシス・アイルズ名義では「殺意」（３１）他の殺人者の心理に重きをおいた犯罪小説を発表。黄金時代探偵小説の頂点を極めるとともに、以後のミステリの流れにも大きな影響を与えた