教育機会の不平等がなぜ生じるのかについての、比較社会学の立場から文脈を考慮した説明。欧米由来の理論的説明に対し、日本的文脈のもとでの不平等生成メカニズムを理論的に関連づけ、ＯＥＣＤのＰＩＳＡデータを用いた計量的比較分析によって、その仮説の妥当性を実証的に検証。ドイツとアメリカを対比してきた同分野の研究枠組みに、教育の不平等を捉えるうえでの新たな視点を提供する。
もくじ情報：教育の不平等の日本的特徴をどうとらえるか；第１部　理論枠組み（教育の不平等と社会的文脈に関する理論的整理；比較のための制度的コンテクストの検討；実証分析の枠組み）；第２部　実証分析（日本における学校トラックと階層化；日本における学校トラックと将来イメージ；学校トラックによる階層化の国際比較；学校トラックと将来イメージの国際比較）；他国との比較にみる日本の学校教育と不平等

多喜　弘文(タキ　ヒロフミ)
１９８２年生まれ。２０１１年同志社大学大学院社会学研究科社会学科博士課程後期課程修了。博士（社会学、同志社大学）。現在、法政大学社会学部社会学科准教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）