|
内容紹介・もくじなど
内容紹介:本書は、密やかに伝え継がれてきた日本の民間信仰「嶽啓道(がっけいどう)」と、その最後の継承者・きりんの存在を世に伝える、初の本格的記録です。嶽啓道とは、古来より女性たちの間でのみ密伝されてきた術法と祈りの道。神仏に頼らず、土地神や精霊、そして「お蔭さま」と呼ばれる存在と交信しながら、まじないによって人と世界との調和を取り戻す民俗宗教のかたちです。その根幹には、「まじなう=まじわる」ことへの祈りがありました。命をつなぐため、世界のなかで自分を位置づけるための、古くて新しい「まじなゐの作法」が、今ここに記されます。本書では、九州のとあるシマに生まれ、洞(ほら)と呼ばれる神聖な場に導かれて…(続く)
内容紹介:本書は、密やかに伝え継がれてきた日本の民間信仰「嶽啓道(がっけいどう)」と、その最後の継承者・きりんの存在を世に伝える、初の本格的記録です。嶽啓道とは、古来より女性たちの間でのみ密伝されてきた術法と祈りの道。神仏に頼らず、土地神や精霊、そして「お蔭さま」と呼ばれる存在と交信しながら、まじないによって人と世界との調和を取り戻す民俗宗教のかたちです。その根幹には、「まじなう=まじわる」ことへの祈りがありました。命をつなぐため、世界のなかで自分を位置づけるための、古くて新しい「まじなゐの作法」が、今ここに記されます。本書では、九州のとあるシマに生まれ、洞(ほら)と呼ばれる神聖な場に導かれて嶽啓道を受け継いだ「きりん」の半生とその証言をたどりながら、彼女が現在営む「まじない屋 きりん堂」で用いられている書符(しょふ)=まじない符を多数紹介。符に宿る精霊たちの姿と意味、その用い方、働きかけ方など、これまで外部には語られることのなかった実際の術法が丁寧に解説されています。さらに本書には、読者自身が日常の中で試すことのできる実践的なまじないの数々も掲載。運気を整えるための符の使い方、日々の暮らしを守る小さな祈りのかたちなど、嶽啓道の教えに基づいた「自分でできるまじなゐの作法」も多数掲載されています。まじないは特別な人のものではなく、本来すべての人が持っている“祈りのちから”であることが、静かに語られています。本書は、ただの「まじない解説書」ではありません。嶽啓道の深い精神性と実践、そして忘れ去られつつある日本の民間信仰を、最後の継承者が未来へと託すために書かれた、記録であり、証言であり、祈りの書です。消えゆく声を、今こそ聞いてほしい--そんな願いが込められた一冊です。
|