内容紹介：人気時代作家が豪華共演！　主人公はすべて、実在した江戸の剣豪たち。彼らの苛烈な生き様を見事に描き切った、傑作アンソロジー。
修練に生涯を捧げ腕を究めた剣客たちが、命を賭した勝負の果てに見たものを、世代を越えて愛される豪華作家陣の筆が映し出す。父の仇討ちを誓った兄弟が出会ったみすぼらしい道場主・辻平内を描いた「かわうそ平内」（池波正太郎）、柳生新陰流初代・石舟斎の嫡男でありながら、戦場で大怪我を負い不遇をかこった新次郎の生き様が光る「跛行の剣」（隆慶一郎）など、今や見ることも叶わぬ圧巻の奥義を贅沢に味わえる短編集。

池波　正太郎(イケナミ　ショウタロウ)
１９２３年、東京浅草生まれ。新聞社の懸賞戯曲に２年続けて入賞し、それを機に劇作家に。長谷川伸に師事し、新国劇の脚本や時代小説を書く。６０年、『錯乱』で直木賞、７７年、『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズを中心とする作家活動に対して吉川英治文学賞、８８年、菊池寛賞を受賞。９０年、逝去