感情とはいわば「自己の内なる他者」であり、自己を破壊するものにも自己を構成するものにもなりうる。ＥＦＴ（エモーション・フォーカスト・セラピー）は、神経科学や基礎心理学の最新知見、「空の椅子の対話」「二つの椅子の対話」という特徴的な技法、多様な心理療法の統合によって、この感情という未知の領域を踏み分け、感情調整を試み、かつてない自分に変容するための好機（ｃｈａｎｃｅ）としていく。ＥＦＴの創始者レスリー・グリーンバーグが送る、感情体験のための臨床実践マニュアル入門。
もくじ情報：１　はじめに（中核概念；概念的枠組み　ほか）；２　歴史（パーソン・センタード・アプローチの理論；体験的フォーカシング　ほか）；３　理論（理論的発展の概要；人間の本質と動機についての観点　ほか）；４　セラピーのプロセス（関係原則と課題原則；観察スキル　ほか）；５　評価（エビデンスに基づく心理療法；感情的傷つき　ほか）；６　今後の発展（今後の研究領域；訓練　ほか）

グリーンバーグ，レスリー・Ｓ．(グリーンバーグ，レスリーＳ．)
ヨーク大学（カナダ・トロント市）心理学特別栄誉教授（ｄｉｓｔｉｎｇｕｉｓｈｅｄ　ｒｅｓｅａｃｈ　ｐｒｏｆｅｓｓｏｒ）、心理療法研究クリニック所長。エモーション・フォーカスト・アプローチの主要テキストの著者。心理療法研究協会（ｔｈｅ　Ｓｏｃｉｅｔｙ　ｆｏｒ　Ｐｓｙｃｈｏｔｈｅｒａｐｙ　Ｒｅｓｅａｃｈ：ＳＰＲ）の元会長であり、ＳＰＲ特別研究賞（ＳＰＲ　Ｄｉｓｔｉｎｇｕｉｓｈｅ　Ｒｅｓｅａｃｈ　Ｃａｒｅｅｒ　Ａｗａｒｄ）、アメリカ心理学協会カール・ロジャーズ賞の選考委員でもある