気候変動問題は地球規模での影響の大きさ、数世代にわたる長期性、科学や損害・対策コストをめぐる不確実性、各国の利害対立など複雑な事象を含み、対処が大変難しい問題である。気温上昇を止め、一定の水準で安定化するには、長期ＣＯ２ゼロエミッションが必要という事である。
もくじ情報：第１章　ＣＯ２ゼロエミッションとその実現への努力；第２章　気候変動対策の究極目標：２℃目標と持続可能な発展；第３章　パリ協定各国排出削減目標の国際比較；第４章　日本の２６％削減目標：政策による達成コストの差異；第５章　政策決定プロセス：欧米との比較と日本の特徴；座談会　長期ネットＣＯ２ゼロ排出とイノベーション

茅　陽一(カヤ　ヨウイチ)
（公財）地球環境産業技術研究機構（ＲＩＴＥ）理事長。東京大学大学院修了、工学博士。同大学助教授、教授を経て１９９５年退官、同大学名誉教授。同年慶應義塾大学教授。１９９８年ＲＩＴＥ副理事長兼研究所長、２０１２年より現職。専門はエネルギー環境システム工学