内容紹介：友安小輪の人生は、二十代半ばを過ぎるまで平穏だった。彼女が恋人と住むアパートに突如謎の老人が現われ、陰惨なつきまといを始めるまでは。同時期、会社員夫婦の自宅が何者かに襲撃され、夫は殺害、妻は連れ去られる事件が起きる。その容疑者として浮かび上がったのもまた老人だった。姉を殺されて以降、“事件マニア”となった刑事の佐坂は、警視庁捜査一課の切れ者・北野谷と組んで捜査に乗り出す。『死刑にいたる病』の著者による戦慄のミステリ。
平凡な会社員の女性に突如降りかかった、老人による執拗なつきまとい。何か隠している恋人、深刻に捉えない警官…誰もこの地獄から助けてくれない。一方、若夫婦が都内の自宅で老人に襲撃され、夫は死亡、妻は攫われる事件が起きる。二つの事件に関連する老人は何者なのか、そしてその目的とは。圧倒的筆力で読者を放さない、戦慄のサイコサスペンス。『老い蜂』を改題文庫化。

櫛木　理宇(クシキ　リウ)
１９７２年新潟県生まれ。２０１２年『ホーンテッド・キャンパス』で第１９回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。同年、『赤と白』で第２５回小説すばる新人賞を受賞する（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）