超高齢社会を迎えたわが国では、認知症を抱えた患者も増加しています。認知症の人へのケアは、尊厳を守るケアを提供することが重要といわれます。しかし、現場のスタッフは、尊厳を守るケアを実践しているつもりでも、実はうまくいっていないケースが少なくありません。本書は、４５年にわたる東京都健康長寿医療センターでの研究や経験を中心に、在宅・施設・療養型病院での優れたケアの実践をまとめたものです。認知症の人の「想い（気持ち）」を理解し、その人の「機能」を考慮したケアを実践することが、尊厳を守るケアにつながることをわかりやすく解説します。

優れた認知症ケアを実践する在宅、介護施設、療養型病院の現場で集めた明日のケアに活かすヒントを収載。ケアに悩むスタッフはもちろん、認知症研修や新人教育にも活用できる、役立つ１冊です。
もくじ情報：１　認知症に気づき受け入れることの難しさを理解する（「いま」のケアを振り返る；身近な人が気づきやすい変化と症状の進行；身内の認知症に直面した家族の想い；受診を嫌がる本人の想い；ケアをつなぐサービス）；２　各介護保険サービスにおける認知症ケア（通所系・訪問系サービスにおける認知症ケア；入所施設における認知症ケア；療養型病院における認知症ケア；急性期病院における認知症ケア）；３　認知症の人の看取りケア（認知症の人の最期と看取りケアの基本；看取りケアのプロセス；介護施設の看取りに必要な医療観）