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内容紹介・もくじなど
著者プロフィール
閻 連科(エン レンカ)
1958年、河南省嵩県の貧しい農村で生まれ、飢えと孤独の中で幼少期を過ごす。高校中退後、出稼ぎで鉱石運搬の重労働に従事して家計を助ける。20歳で人民解放軍に入隊し、部隊内の創作学習班に参加する。文壇と世間で注目を浴びるきっかけは、1992年に発表した『夏日落』が兵士の暗黒面を描いたとして批判され、発禁処分を受けたことだった。2005年には『人民に奉仕する』(文藝春秋)でも発禁処分を受け、その翌年には『丁庄の夢』(河出書房新社)が一時販売中止となる。2011年には大飢饉の内幕を暴露した『四書』が発禁処分を受け、台湾で出版される。2004年刊行の『愉楽』(河出書房新社)は…( ) 閻 連科(エン レンカ)
1958年、河南省嵩県の貧しい農村で生まれ、飢えと孤独の中で幼少期を過ごす。高校中退後、出稼ぎで鉱石運搬の重労働に従事して家計を助ける。20歳で人民解放軍に入隊し、部隊内の創作学習班に参加する。文壇と世間で注目を浴びるきっかけは、1992年に発表した『夏日落』が兵士の暗黒面を描いたとして批判され、発禁処分を受けたことだった。2005年には『人民に奉仕する』(文藝春秋)でも発禁処分を受け、その翌年には『丁庄の夢』(河出書房新社)が一時販売中止となる。2011年には大飢饉の内幕を暴露した『四書』が発禁処分を受け、台湾で出版される。2004年刊行の『愉楽』(河出書房新社)は、「反革命」「反国家」など、あらゆる「反」で始まる言葉で酷評されたが、権威ある魯迅文学賞、鼎鈞双年(ディンジュン)文学賞を受賞。2014年にはフランツ・カフカ賞を受賞。現在、中国人民大学文学院教授、香港科技大学客員教授 |
山深い農村が千年に一度の大日照りに襲われた。村人たちは干ばつから逃れるため、村を捨てて出ていく。73歳の「先じい」は、自分の畑に一本だけ芽を出したトウモロコシを守るため、村に残る決意をする。一緒に残ったのは、目のつぶれた一匹の犬「メナシ」。わずかなトウモロコシの粒をめぐり、ネズミとの争奪戦の日々が続く。やがて井戸も枯れ果て、水を求めて赴いた谷間の池では、オオカミの群れとのにらみ合いに…。トウモロコシに実を結ばせるため、先じいが最後に選んだ驚くべき手段とは…(続く)
山深い農村が千年に一度の大日照りに襲われた。村人たちは干ばつから逃れるため、村を捨てて出ていく。73歳の「先じい」は、自分の畑に一本だけ芽を出したトウモロコシを守るため、村に残る決意をする。一緒に残ったのは、目のつぶれた一匹の犬「メナシ」。わずかなトウモロコシの粒をめぐり、ネズミとの争奪戦の日々が続く。やがて井戸も枯れ果て、水を求めて赴いた谷間の池では、オオカミの群れとのにらみ合いに…。トウモロコシに実を結ばせるため、先じいが最後に選んだ驚くべき手段とは―第二回魯迅文学賞受賞の傑作中篇。