内容紹介：淡くもつれた関係は、高校最後の夏を前に揺れ動く－－。仙台さんとキスをした。何かが変わったわけではないけれど、意識してないといえば嘘になる。でも大丈夫、もうすぐ夏休みで、休みの日には会わないのがルールだ。……高校最後の夏、彼女は何をして過ごすのだろう？
長い休みは憂鬱だ。一人でいることには慣れているけど、一人でいることが好きなわけじゃない。高校最後の夏休みは、みんな忙しい。仙台さんとだって、会うのは“放課後”だけというルールだ。なのに彼女は『家庭教師になってあげる』なんて提案してきて。…キスしたこと、気にしてるのは私だけなの？つまらない。面白くない。キスしても何も変わらない宮城に、もうすぐ来る長い休みに、そう思う。だから、宮城に提案した。『休み中も宮城に会いたい』そう思っているのかは自分でも分からないし、距離を置くべきなのは分かっている。…でも、本当は彼女から返事が来ることを、私はたぶん期待している。

羽田　宇佐(ハネダ　ウサ)
第７回カクヨムＷｅｂ小説コンテスト・ラブコメ部門特別賞を「週に一度クラスメイトを買う話」にて受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）