多くの世界文化遺産で知られる東南アジアの国々が直面する現実と課題。ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、フィリピン、インドネシアの文化遺産と現地のミュージアムを取り上げ、文化遺産とその価値、保護の取り組み、特色ある活動等のさまざまな論点を検討する。
もくじ情報：東南アジアの世界遺産とミュージアム―ユネスコのミュージアム支援事業を中心に；フランス極東学院のインドシナ研究と博物館；チャンパの世界遺産「ミーソン聖域」とサイト・ミュージアム；ホイアンの文化遺産と博物館；ラオス北部から中部における埋蔵文化財調査・文化財保護と博物館―ポストＣＯＶＩＤ‐１９の現状と課題；ラオスの文化的景観と博物館―遺産マネージメントと観光；世界遺産アンコールと博物館―保護・開発・文化遺産国際協力；カンボジアにおける染織業とその伝承―戦火による断絶と国際的な支援；博物館をめぐるモノと人の諸関係―タイを事例として；バンチェン遺跡における国立博物館とコミュニティ博物館―地域住民とのかかわりから；文化と産業を結び付ける観光とミュージアムの役割―タイ・ランパーン県における「窯業とその文化」をテーマとする文化産業観光；チョコレートヒルズ―フィリピン・ボホール島における「暫定」世界自然遺産とその課題；フィリピンの文化財と国立博物館に関する法律；インドネシアにおける文化遺産とオンサイト・ミュージアム；文化遺産の保存と活用を支えるミュージアム―近代から現代にかけてのミッションの変遷

〓澤　啓一(トクサワ　ケイイチ)
岡山理科大学教育推進機構学芸員教育センター教授。岡山理科大学経営学部経営学科教授を経て現職。國學院大學大学院文学研究科史学専攻博士課程満期修了退学。専門、博物館学・考古民族学