内容紹介：自分を捨てて立ち去った彼女が戻ってくるーー「代替伴侶」がもたらす、希望と、絶望。「愛の本質」を問い続ける名手が贈る、衝撃の物語。
人口が爆発的に増え、「代替伴侶法」が施行された近未来。伴侶を失い精神的に打撃を被った人間に対し、最大１０年間という期限つきで、かつての伴侶と同じ記憶や内面を持った「代替伴侶」が貸与されることとなった。それは「あり得た夫婦のかたち」を提示すると同時に、愛の持つ本質的な痛みを炙り出すことともなったのだった―。

白石　一文(シライシ　カズフミ)
１９５８年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋勤務を経て、２０００年『一瞬の光』でデビュー。０９年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で第二二回山本周五郎賞、１０年『ほかならぬ人へ』で第一四二回直木賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）