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内容紹介・もくじなど
著者プロフィール
佐藤 雫(サトウ シズク)
1988年、香川県生まれ。「言の葉は、残りて」(「海の匂い」を改題)で第32回小説すばる新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 佐藤 雫(サトウ シズク)
1988年、香川県生まれ。「言の葉は、残りて」(「海の匂い」を改題)で第32回小説すばる新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) |
我が蔵人頭は、優しいが頼りない。しかし、私の目に狂いはなかった。幼い頃に父を失った藤原行政は、平安貴族としての官位栄達を諦めていた。しかし、行成の姿を見ていた一条天皇は、彼を側近である蔵人頭に任ずる。そ…(続く)
我が蔵人頭は、優しいが頼りない。しかし、私の目に狂いはなかった。幼い頃に父を失った藤原行政は、平安貴族としての官位栄達を諦めていた。しかし、行成の姿を見ていた一条天皇は、彼を側近である蔵人頭に任ずる。その行成は、一条天皇の感情の自制と苦悩に満ちた生涯を目の当たりにすることとなった。筆の名手「三蹟」の一人として知られる行成とその妻、一条天皇と中宮定子、そして清少納言。互いを信じて想い合う姿には、愛が溢れていた。紛れもなく“帝”。だが、一人の孤独な少年だった。行成は、その想いに寄り添い、見守りたかった…。権謀術数が渦巻く平安時代を舞台に、“愛”を描く王朝ロマン。