内容紹介：（仮）大名庭園から始まり、朝顔や菊などの鉢植え植物の流行により庶民まで浸透し、独自の発展を遂げてきた江戸時代の園芸文化。その具体的な様相を捉えるべく、考古遺物（植物痕・植木鉢）をはじめ、文献・絵画資料や栽培・品種改良に関する植物学的見知なども駆使して追究。江戸という人工的な「都市」の中に囲い込まれた自然としての「園芸」に迫る。
大名庭園に始まり、鉢植え植物の流行で庶民まで浸透して発展を遂げた江戸の園芸文化。考古・文献・絵画資料や植物学的知見も踏まえ実態を追究。都市江戸の「園芸」について議論を深め、成果を結集して到達点を示す。
もくじ情報：園芸文化研究の可能性（平野恵）；江戸後期に制作された植物図―園芸的観点からの一試論―（田中純子）；尾張藩江戸藩邸と園芸（山本英二）；商品植木鉢の成立と江戸の園芸市場（市川寛明）；「江戸の花―さくらそう―」展示図録　抄（鳥居恒夫）；江戸遺跡における「植栽痕」認識の変遷と現在（宮川和也）；大名屋敷跡遺跡の植物栽培遺構（追川吉生）；植木商森田六三郎の諸相―文京区団子坂上遺跡の調査成果から―（中野高久）；近世薩摩焼の植木鉢（渡辺芳郎）；出土植木鉢からみた陸奥八戸藩の園芸（船場昌子）；大村藩下屋敷出土の植木鉢―大名藩邸の植木鉢受容の一例―（堀内秀樹）