物語性あふれる、イメージの宝庫であり、今もさまざまな影響を与え続けている神話。地球上の数多くの民族のあいだで、時を越えて語り伝えられた物語は、グローバル化する現代では貴重な遺産といえる。本書では、世界中の神話をテーマ別に展望。天地創造、地母神、農耕や文化の起源、世界樹、動物神、天体神話など共通するテーマのもとに、代表的な神話の具体例をピックアップ。豊富な写真とともに、神話研究の第一人者たちがガイドする。欧州や中南米、アジア、アフリカ、オセアニアはもとより、より詳しい研究が待たれる中欧や中央アジアの流浪民・遊牧民の神話も収録。考古・民俗・芸術の各分野からセレクトした約７００点の図版と、本書オリジナルの神話世界地図、ギリシアの神々の系図も、イメージを広げ、理解を深めてくれる。見る楽しみ、知る喜びに満ちた、壮大なスケールの神話入門。
もくじ情報：神話と神話学；ギリシアの神々―カオスからゼウスへ；世界の神話；神話世界地図；自然と人間の創造主；宇宙の展開；魔術・芸術・文化の仲介者；地上と天上界の動物たち；官能的な愛と精神的な愛；英雄の時代；世界の意味をめぐって；永遠なる世界への入り口

ゴロウィン，セルジウス(ゴロウィン，セルジウス)
１９３０年～。チェコ、プラハで生まれ、３３年に母親の祖国、スイスへ。司書としてアルプス地方の伝説の収集にあたり、のちにフリーの文筆家として多くの著作を手掛ける。神話の調査やライターとしても活躍したほか、中欧の非定住民族の権利擁護を訴えた政治的な作品もある。民俗学者としては、口承伝承に興味を持ち、魔女や練金術師、シャーマンなどの民間信仰についての解説書も著している