三崎・城ヶ島沖では老鯛釣名人の、甲州ではヤマメ釣名人の釣談義に耳を傾け、九十九里、水郷、尾道、最上川、奥日光、吉野川まで足を伸ばして釣、また釣に明け暮れる。釣が大好き、他人の釣を見るのも好きで、本名「満寿二」を筆名「鱒二」にしたという著者が、全国の釣場と釣師、竿師を訪ねて綴る、愉しい名紀行。
もくじ情報：三浦三崎の老釣師；外房の漁師；水郷通いの釣師；尾道の釣・鞆ノ津の釣；甲州のヤマメ；阿佐ヶ谷の釣師；最上川；庄内竿；長良川の鮎；奥日光の釣；笠置・吉野；淡路島

井伏　鱒二(イブセ　マスジ)
１８９８・２・１５～１９９３・７・１０。小説家。広島生まれ。本名満寿二。１９１２年福山中学に入学。１７年早大予科１年に編入。２３年「幽閉」（のち加筆「山椒魚」と改題）発表。『ジョン万次郎漂流記』で直木賞、『本日休診』で第１回読売文学賞、『黒い雨』で野間文芸賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）