３・１１の衝撃とは何か！？生の大自然の露出は「素朴な現実」（人間、物、自然）など実存しないとするポストモダン思潮を打ち砕いた。ネグリ／ハート『コモンウェルス』を叛乱論として読み、その主体となるべきはずの労働と政治の現在を問う。渾身の思想的情勢分析。
もくじ情報：１（リアルの行方；情勢分析―この四半世紀の世界；いま、私であるということ；地球の影のもとに―環境主義の倫理と技術）；２（新しい物語を作る―東日本大震災と科学技術；パラダイムの内と外；戦後科学技術放浪）；３（日本における労働者階級の状態；党派的であること；マルチチュードの叛乱論―ネグリ／ハート『コモンウェルス』・『叛逆』を読む）

長崎　浩(ナガサキ　ヒロシ)
１９３７年生まれ。東京大学理学部卒業。東京大学物性研究所、東北大学医学部、東京都老人総合研究所、東北文化学園大学に勤務。現在は、政治思想・科学技術・身体運動論を論じる。１９６０年代末、全共闘運動高揚期に『叛乱論』にて登場。以後、８０年代にいたるまで、政治思想情況にコミットしつづけた。９０年代以降は、環境問題やリハビリテーションの分野でも著作活動を続ける（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）