あなたも＜４ミリ＞のお仲間ですか？　　この物語の主人公ポイット氏が住む街の人びとは、ある独特の体質をしていた。成長していく過程の中で、ある日突然、からだと心が、＜フラココノ実＞なるものを必要とする。そうするともう、その果実をときおり食べないことにはやっていかれなくなるという、なんともふしぎな体質だった。　　ところがポイット氏は、すでに中年のおじさんであるにもかかわらず、まだフラココノ実を食べたことがない。これまで何度も、実を食べようとフラココノ島に渡ろうとしては失敗して・・・を繰り返していた。　　小さなリンゴほどの、ヘリオトロープ色の果実・・・。果汁豊かなその実は、やさしく切ない、遠い夢のような味がするという。いつになったら、フラココノ実なるものにかぶりつくことができるのだろう。　　同じ憧れをもつ仲間と、同盟を組んで目的を達しようとするポイット氏。果たして彼らは、夢の果実を食べることができるのか？