ユーラシア草原を席巻したモンゴル民族の壮大な英雄叙事詩。その成り立ちから現在の受容までを、精緻なテキストクリティークとともに描き出す。
もくじ情報：第１章　神話から英雄叙事詩への展開―ゲセル・ハーン物語のハルハ版とブリヤート諸版の比較を通じて；第２章　『アルハンガイ版ゲセル伝』の成立年代について；第３章　ゲセル・ハーン物語のナンドルモ魔王の章の再検討―写本の比較を中心に；第４章　ゲセル研究によるツェンディーン・ダムディンスレンのソ連での学位取得に関する諸史料、それらより得られる研究方法論的教訓；第５章　ハンガリーにおけるモンゴル・ゲセル伝の研究―研究動向と推奨文献；第６章　モンゴル英雄叙事詩における匈奴文化；第７章　『ジャンガル』における数字のモチーフ；第８章　『元朝秘史』におけるシギ・クトゥク―ジャムカ亡き後の作者の共感対象として；第９章　アルタイ・オリアンハイの英雄叙事詩―モンゴル文化におけるその位置