シングルセル解析により、組織中の幹細胞、細胞分化、神経細胞などさまざまな生命現象の解析が可能となってきた。シングルセル解析によって見えてきた細胞の多様性について、最新の知見と、創薬や医療への将来の展望についてもまとめた。

もくじ情報：シングルセル解析のあゆみ；１　シングルセル解析を支える細胞操作と計測技術（マイクロ流体を利用した細胞操作・計測技術；希少細胞を標的としたシングルセル解析技術；マイクロドロップレットによるシングルセル超並列解析）；２　シングルセルでみる生命（シングルセルトランスクリプトーム解析；がんの理解に向けたシングルセル解析；環境微生物のシングルセルゲノム解析；新規「機能的セロミクス」と「シングルセルゲノム精密編集技術」の融合に向けて；シングルセルエピゲノム解析；質量分析計を基盤とするシングルセルプロテオミクス）；３　シングルセル解析を進展させるイメージテクノロジー（化学蛍光プローブの精密設計による革新的バイオイメージング；蛍光核酸プローブによるセルイメージング；組織透明化を用いた全身全細胞解析の最前線；走査型電気化学顕微鏡によるセルイメージング）

竹山　春子(タケヤマ　ハルコ)
早稲田大学理工学術院教授。博士（工学）。１９９２年東京農工大学工学研究科物質生物工学専攻博士後期課程修了。１９９１年～１９９４年米国マイアミ大学海洋研究所研究員。１９９４年東京農工大学工学部物質生物工学科助手。１９９９年東京農工大学工学部生命工学科助教授。２００５年東京農工大学大学院共生科学技術研究院教授。２００７年早稲田大学先進理工学部生命医科学科教授。東京農工大学工学府客員教授。２００９年早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所所長。２００２年東京農工大学・早稲田大学共同先進健康科学専攻教授（兼任）。２０１６年産総研・早大生体システムビッグデータ解析オープンイノベーションラボラトリラボ長。２０１７年国立研究開発法人産業技術総合研究所特定フェロー。研究テーマ：単一細胞解析、マリンバイオテクノロジー、微生物ゲノム工学、遺伝子資源活用、バイオ計測