聖職者に代わって偉くなったのは医者だった？医療が神聖なものになった？フランス近代医療史を、理性という聖域の歴史として読み解き、未来を示す。
もくじ情報：第１部　医療の神聖化と脱神聖化―歴史社会学の観点から（医療の神聖化―フランスにおけるライシテの裏面；医療の勝利とライシテの確立―「白衣の男たち」の君臨；医師と女性―医療教権主義の実態；勝ち誇る聖職者から不確実な聖職者へ）；第２部　医療理性の危機（医療―社会とその矛盾を映す鏡；産業型社会の健康、ポスト産業型社会の健康；医療と病院―幻想の劇場；脱幻想化されてもなお共和主義的な医療のために）；結論　新しい医療に向かって―聖の減退、生の増進

ボベロ，ジャン(ボベロ，ジャン)
１９４１年生まれ。専門はプロテスタントとライシテの歴史社会学。高等研究実習院で講座「プロテスタンティズムの歴史と社会学」の教授（１９７８年から１９９０年）、講座「ライシテの歴史と社会学」（１９９１年から２００７年）の初代教授を歴任。１９９５年には「宗教とライシテの社会学グループ」を創設し、２００７年まで初代所長を務めた。現在は高等研究実習院の名誉学長・名誉教授