わが国最古の西洋文学翻訳書、『イソポ物語』（１５９３）の謎に迫る。バテレン達が下敷きにしたというシュタインヘーヴェル本とは。翻訳書にもかかわらず、１５９３年に天草で出版されたローマ字本『イソポ物語』は、その原典が不明とされてきた。果たしてそれは、１４７９年頃ドイツで出版されたシュタインヘーヴェルの『アイソプス』にたどり着くのか。それで過不足はないのか。安土桃山時代の謎解きのために、対象となるラテン語文献を渉猟し、テキストの適否を比較考量する。
もくじ情報：第１編　エソポが生涯の物語略；第２編　エソポが作り物語の抜き書；第３編　エソポが作り物語の下巻；第４編　解説（西欧におけるイソップ寓話の伝承；『エソポのハブラス（１５９３）』の原典；『エソポのハブラス』翻字と校訂など）

原澤　隆三郎(ハラサワ　リュウサブロウ)
１９５１年東京都に生まれる。７４年慶應義塾大学経済学部卒業、三菱銀行入行。７８年米国マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院経営科学修士。元三菱東京ＵＦＪ銀行専務取締役（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）