アジアのトップランナーだった日本は３０年もの間、経済が停滞し成長できないでいる。日本経済が再浮揚する姿をぜひみたいという熱望の下で、経済発展論や国際経済学、アジア経済論を専門とする研究者が経済成長論・発展論の分析枠組みや国際比較の視点から日本経済を停滞から再浮揚へと導くための処方箋、政策を提言する。
もくじ情報：第１部　現段階の日本経済の課題は何か（発展段階論からみた日本経済の現段階―脱工業化の視点；米国とドイツの成長要因と日本への示唆―日本企業の国内投資はなぜ低迷したのか；日本の国際競争力の変化―企業のＲ＆Ｄ投資と競争力の関係；日本経済システムの改革と日本経済活性化戦略）；第２部　日本経済の再浮揚戦略とは何か（世界的有望な産業の成長戦略と新時代の産業政策；グリーン成長の戦略的な推進；イノベーション創出と産学官連携―大学発スタートアップ促進課題と戦略；日本企業のビジネス戦略―成長につなげる無形資産の役割；日本農業のあるべき将来―国際フードシステムの強化　ほか）

トラン　ヴァン　トゥ(トランヴァントゥ)
ベトナム生まれ。高校卒業後、国費留学生として来日。一橋大学経済学博士。日本経済研究センターや桜美林大学を経て、早稲田大学社会科学総合学術院教授。現在、早稲田大学名誉教授。元ベトナム首相経済諮問委員、瑞宝小綬章受章。主要著書：『産業発展と多国籍企業』（東洋経済新報社、１９９２年、アジア太平洋賞受賞）、『東アジア経済変動とベトナムの工業化』（ベトナム語、２００５年、優良図書賞）、『日本経済奇跡的発展の時代　１９５５‐１９７３』（ベトナム語、２０２２年、優良図書賞）ほか