内容紹介：ある日父から遊郭に呼び出された徒目付の香月左馬之介（こうづきさまのすけ）は、そこで香月家に伝わる二振りの宝刀について聞かされる。一握りの玉鋼から生まれた表裏一体の太刀－－その一方は左馬之介が帯びる『風龍』。もう一方である『雲龍』を、生き別れた腹違いの兄が持っているという。その異母兄が宝刀を持つに値する人物かを確かめてほしいと父に請われた左馬之介だが、気乗りしないとして一度はこれを退ける。ところがそんな折、遊郭に出入りする腕利きの用心棒－－篁秋水（たかむらしゅうすい）なる傾き者が現れる。ひと目見てただならぬものを感じた左馬之介は、改めて『雲龍』の行方を追うことにするのだが……
ある日父から遊郭に呼び出された香月左馬之介は、そこで香月家に伝わる二振りの宝刀について聞かされる。一握りの玉鋼から生まれた表裏一体の兄弟刀―その一方は左馬之介が帯びる『風龍』。もう一方である『雲龍』を、生き別れた異母兄が持っているという。その者が宝刀を持つに値する男か確かめてほしいと父に頼まれた左馬之介。そんな彼の前に現れたのは、遊郭に出入りする腕利きの用心棒、篁秋水。ただならぬものを感じた左馬之介は、『雲龍』の行方を追うことにするのだが…。アルファポリス第５回歴史・時代小説大賞エンタメ剣客賞受賞！