結び目の数学的な取り扱いは位相幾何学の主要な一分野として発展してきたが、１９８０年代になって量子群や結び目のジョーンズ多項式が登場し、結び目がほどけるかなどといった問題と量子群とが深く関係していることがわかってきた。本書ではこの結び目と量子群の関係を平易に解説している。前半では量子不変量から結び目をみており、後半では量子群を結び目からとらえた。複数の視点で考えることにより、結び目と量子群に共通する数学的本質に迫っている。
もくじ情報：１　結び目とその不変量（結び目；不変量　ほか）；２　組紐群と結び目（群；対称群　ほか）；３　リー群とリー環（リー群；群の線形表現　ほか）；４　量子群―量子展開環（量子群の導入；量子群の表現　ほか）

村上　順(ムラカミ　ジュン)
１９５７年東京都に生まれる。１９８１年東京大学大学院理学系研究科数学専攻修士課程修了。現在、大阪大学大学院理学研究科助教授、理学博士（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）