内容紹介：菊之助（元ヒモ）、玲子（アル中）、五木田（浮気癖あり）。謎の男によって集められた3人組。そのミッションとは、ヤクザの金を強奪せよ！？中目黒のショットバーで雇われ店長をしている菊之助は、人の良さが災いし親切心から美人局にひっかかるなど、冴えない日常を送っていた。そんな彼の前に、ある日謎の男が現れる。「大きな儲け話がある」という男の誘いに、胡散臭さと危険な匂いを感じながらも、冴えない自分の人生逆転をかけてその話に乗る決心をする。だが、謎の男は、ほぼ同時期に二人の男女に菊之助と同じ話を持ちかけていた。施設に預けた息子の大病が発覚し、自身もアル中の美女・玲子と、妻がいながらも「人生もうひと花咲かせたい」と、ホステスとの駆け落ちを夢見る老人・五木田だ。この二人も菊之助と同じように男の誘いに乗るが、一堂に会した彼らに告げられた「儲け話」の内実とは、やくざと香港マフィアの麻薬取引に使う、闇の大金を強奪することだった！！闇社会相手に、素人3人に一体何ができるのか？彼らの未来に大逆転はあるのか！？事件は二転三転し、予想もつかない方向へ……。ドタバタ・クライムミステリー堂々デビュー！
ある日、年齢も境遇もバラバラな三人のもとへ、ひとりの男が現れた。「簡単に大金が入る儲け話があるんです…」いかにも怪しいその話とは、ヤクザがドラッグの取り引きに用意した金を取り引き現場から強奪する、というものだった。雇われ店長をしていたショットバーを破壊されてしまった元ヒモの青年・菊之助。大病を患う息子を抱えたアル中の中年美女・玲子。古女房を見捨ててホステスとの駆け落ちを夢見る老人・五木田。人生のやり直しを熱望する三人は、金欲しさに男の話に乗ることにするが…。犯罪のド素人が欲にまかせて踏んだ大舞台の結末とは！？謎の男の狙いは一体何なのか！？第三回パピルス新人賞特別賞受賞作。

森田　裕之(モリタ　ヒロユキ)
１９６９年生まれ。上智大学文学部卒業。２００９年に第三回パピルス新人賞特別賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）