貧困にあえぐ「閉じられたカースト社会」から、成長力豊かな「開放的な多様性社会」へと変貌する２１世紀のインドを描き出す。

内容紹介：２１世紀のインドは，もはや単なる貧困にあえぐ「閉じられたカースト社会」ではなく，グローバル化を通じた世界経済の成長を牽引するとともに，それ自身が成長力をもつ「開放的な多様性社会」でもある．その多面性を眺め渡す基本的・総論的な視座を提供する．　カースト社会から多様性社会へ　田辺明生著．　環境の多様性と文化の多様性　佐藤孝宏著　杉原薫著．　人口と長期的発展径路　脇村孝平著．　近現代インドのエネルギー　神田さやこ著．　生存とジェンダー　粟屋利江著．　ユーレィジアン問題　水谷智著．　支配と共存の論理　太田信宏著．　環インド洋世界とインド人商人・起業家のネットワーク　大石高志著．　植民地期における国内市場の形成　杉原薫著．　差別解消の方法とヴィジョン　長崎暢子著．　英領インドの企業　野村親義著．　多様性社会と宗教的共存の文化的基盤　外川昌彦著．　独立後インドの経済発展径路　藤田幸一著．　民主政治と社会運動　中溝和弥著　石坂晋哉著．　グローバル・インドのゆくえ　田辺明生著．　工場の中の神霊　石井美保著．　連邦制　藤倉達郎著
もくじ情報：カースト社会から多様性社会へ―現代インド論のパラダイム転換；第１編　生存基盤確保の歴史（環境の多様性と文化の多様性；人口と長期的発展径路―自然環境と「開墾・定住」過程；近現代インドのエネルギー―市場の形成と利用の地域性；生存とジェンダー―「家族」をめぐる言説と実践から）；第２編　開放体系としてのインド世界（支配と共存の論理―近世インドにおける国家と社会；環インド洋世界とインド人商人・起業家のネットワーク―植民地期における複合性・多様性；植民地期における国内市場の形成；差別解消の方法とヴィジョン―ガーンディーとアンベードカル）；第３編　多様性社会の潜在力（多様性社会と宗教的共存の文化的基盤―ベンガルの聖者廟におけるヒンドゥー教とイスラーム；独立後インドの経済発展径路―多様性と階層性のガバナンス；民主政治と社会運動―制度と運動のダイナミズム；グローバル・インドのゆくえ）