官能と美術と文学の饗宴から自然への畏怖と喜悦／崇高美へ。フォンテーヌブロー宮の官能と美術と文学の饗宴に、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの描く『いかさま師』に、シャルル・ル・ブランの描く国王ルイ一四世の表象に、ジャン＝アントワーヌ・ヴァトーの描く『シテール島の巡礼』に、アデライード・ラビーユ＝ギアールの描く『自画像』に、クロード＝ジョゼフ・ヴェルネの描く“嵐”の崇高美に、これらの創造の軌跡とさまざまな美的表象を探り、フランス近世美術の華麗なる真髄を明らかにする！
もくじ情報：第１章　フランソワ一世の“「浴室の間」ギャラリー”―官能と美術と文学の饗宴；第２章　ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの『いかさま師』―逆転の構造；第３章　若き国王ルイ一四世の表象―シャルル・ル・ブラン『アレクサンドロス大王の前のダレイオスの家族』；第４章　ヴァトー『シテール島の巡礼』―愛の国への旅立ち；第５章　アデライード・ラビーユ＝ギアール『二人の生徒といる自画像』；第６章　クロード＝ジョゼフ・ヴェルネの嵐―反パストラルとしての「崇高」

大野　芳材(オオノ　ヨシキ)
美術史家／フランス美術史