先天性奇形の原因となる環境因子にＰＧとセロトニンがある。ＰＧの催奇形性と胎児毒性について、本書に記述してある。実験の結果、ニコチンにより鶏胚に種々の奇形がみられた。奇形はニコチンの血管収縮作用と高血圧作用によると思われる。同じくプロスタグランジンでも種々の奇形が観察された。このことは、子宮収縮剤の子宮平滑筋の収縮作用と同時に、血管平滑筋収縮によるプロスタグランジンの作用と考えられる。
もくじ情報：第１編　タバコの害；第２編　タバコと動脈硬化；第３編　妊婦とタバコ；第４編　喫煙と口唇・口蓋裂；第５編　喫煙と無脳症；第６編　先天性奇形の遺伝的原因；第７編　先天性胸腹臓器ヘルニア（セロソミア）；第８編　癒合双子；第９編　先天性奇形の原因となる環境因子；第１０編　鶏胎仔発生に及ぼすニコチンの影響と神経の発達

寺木　良巳(テラキ　ヨシミ)
１９２９年福島県に生まれる。２０１２年日本薬理学会永年会員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）