遠い戦争、森に木霊する様々な徴候―ナチス侵攻前、北仏アルデンヌに動員された兵士たち。深い森の中、研ぎ澄まされた意識が捉えた終極の予兆。

グラック，ジュリアン(グラック，ジュリアン)
１９１０年、仏西部のサン＝フローラン＝ル＝ヴィエイユ生まれ。ナントの高校で教鞭を取りながら執筆活動をおこない、１９３８年、第一作『アルゴールの城にて』を発表。アンドレ・ブルトンに賞賛される。第二次世界大戦で動員されるが、捕虜となり解放される。１９５１年、『シルトの岸辺』を発表、ゴングール賞受賞作に選ばれるが、受賞を拒否。著作に『森のバルコニー』（１９５８）『半島』（１９７０）など。２００７年死去