“おとり”はカモに親しげに近づき、“インサイドマン”と共謀して、確実な金儲けを持ちかける。カモの欲望が目一杯まで掻き立てられると、カモはみずから大金を工面して持ってくるが、そこで悲劇が起こり…。旅行者の持ち金を騙し取る“ショート・コン”から、舞台装置のように複雑で、地元警察への根回しまで仕組まれた“ビッグ・コン”まで、信用詐欺の様々な手口を紹介。映画『スティング』のネタ本としても知られる名著。
もくじ情報：第１章　「信用詐欺師」の醍醐味（カモのほうから札束を差し出す―これこそ「詐欺」という芸術）；第２章　舞台装置をつくる（念入りに準備された架空の劇場「ビッグ・ストア」は最高の稼ぎ場所）；第３章　カモの“欲”につけ込む（騙したことにも気づかれない、「ビッグ・コン」三つの華麗な成功例）；第４章　カモを分析する（巧みな「おとり」のテクニックに見るいいカモの見分け方、引っかけ方）；第５章　一流になるための条件（この世界で成功する鍵はセンス、演技力、そしてやる気）；第６章　日常生活の送り方（いつも魅力的な紳士を演じ、スマートな生き方を心がける）；第７章　いざというときの保険（“金を掴ませる”のが最良の方法―フィクサーを通して安全を買う）；第８章　小銭もマメに稼ぐ（大仕事の合間の貴重な収入源「ショート・コン」こそ基本）；第９章　専門用語に精通する（仲間意識を育み、仕事を円滑化―この世界の隠語を身に付ける）

モラー，デイヴィッド・Ｗ．(モラー，デイヴィッドＷ．)
１９０６年生まれ。言語学者。とくに犯罪と犯罪者の言葉についての研究で知られる。１９３７年から１９７２年までルイヴィル大学教授。１９４０年に初版が刊行された本書は、のちに映画『スティング』のネタ本となった。１９８１年没