真木風太郎―南町奉行所の元定橋掛同心。女好きで悪所通しなどの不行状を咎められ、風紀紊乱改め方同心に役替えさせられた。だが、市中の悪所を探るうち風太郎は、女が体を売る湯屋、女賭博、博打で大店の主人をはめて娘を売る女衒などが跳梁していることを知る。時は天保十一年。十一代将軍を退いた家斉が、西の丸で絶大な権力を誇るなか、現将軍家慶のそば近い老中首座・水野忠邦は、実権を取り戻すべくある謀略を画策していた。それは世間を「色」で混乱させ、毒をもって毒を制す大改革だった。裏同心となった風太郎は、水野の手先をつとめる弁天党のつわものたちを相手に苛烈な戦いを挑む！エンターテインメント小説で人気沸騰の著者が贈る痛快時代長編！

沢里　裕二(サワサト　ユウジ)
青山学院大学卒業。作家、音楽、映画プロデューサー。２０１２年、『淫府再興』で、第二回団鬼六賞優秀作受賞。深く激しい淫の世界を軽やかに描き出すことを得意とし、エンターテインメント性に優れた作品に仕立てることで、既存の官能小説界に新風を巻き起こす（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）