登山の途中、不意に姿を見せるカモシカ。特別天然記念物として知られ、山の賢者とも呼ばれる。そして、原始的な姿を今に伝える「生きた化石」でもある。そんな獣に魅せられ、若者は険しい研究者への道を登る。過酷な高山帯へと足を踏み入れ、出会ったのは、山小屋に暮らす番人と、思いがけないカモシカたちの姿だった。そして、研究は有蹄類の社会、その進化の原点に迫る！
もくじ情報：一章　有蹄類の楽園；二章　フィールド至上主義；三章　浅間山荘に生きるカモシカ；四章　カモシカ捕獲作戦；五章　新天地；六章　高山のカモシカ；七章　社会進化のはじまりを観た；八章　冒険は続く

〓田　隼人(タカダ　ハヤト)
１９９１年東京生まれ。東京農工大学農学部附属野生動物管理教育研究センター　特任准教授。山梨県富士山科学研究所研究員を経て２０２２年より現職。専門は行動生態学。ニホンカモシカを中心に、ニホンジカやコウモリ類、食肉類など幅広く野生哺乳類を研究対象とする。研究手法としては、フィールドで対象動物を直接観察することにこだわりをもつ。サッカーとヒップホップが好き（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）