制度として一応の完成をみた特別支援教育が、すべての教師の課題になったことは間違いない。本書の１では、特別支援教育の全体的な姿・動向についてわかりやすく解説した。２では、ライフステージに応じ、幼児から大学生まで一人ひとりに焦点をあてた事例を検討し、教育実践を紹介した。３では、学校教育卒業後の長い地域生活において学校教育へ期待することを福祉や労働を含めた視点で解説。特に「権利条約」「合理的配慮」「家族支援」をキーワードとして、インクルーシブ教育への課題を検討している。
もくじ情報：１　障がいのある子どもの今後の教育について（障がいのある子ども一人ひとりのニーズに応じた教育への移行；障がいのある子どもの就学の在り方とニーズ教育への移行；共生社会に向けて「ともに学び、ともに育つ」教育環境の調整；障がい児教育の歴史と新たなニーズに向けて；障がいの重い子どもの教育とニーズの実現）；２　障がいのある子どもの具体的支援内容・方法について（幼児への支援事例（幼稚園）；小学生への支援事例；中学生への支援事例；高校生への支援事例；大学生への支援事例）；３　障がい者の権利と地域移行に向けて（「障害者の権利条約」と教育；インクルーシブ教育と合理的配慮；いまなぜ家族支援なのか；地域生活を支えるもの；新たな時代への期待）

須田　正信(スダ　マサノブ)
大阪府立堺支援学校長。２００２年大阪府教育センター主任指導主事、２００４年大阪府教育センター特別支援教育研究室長を経て２００７年大阪府立交野養護（支援）学校長、２００９年より大阪府立寝屋川支援学校長。大阪教育大学非常勤講師