未発表作品から代表作まで３６７点収録。大阪時代の「文楽」から「入江調」と親しまれた風景作品まで、奈良大和路に半生を捧げた写真家・入江泰吉の写真人生を辿る。
もくじ情報：第１章　写真家への歩み「文楽」（一九四〇年代～）；第２章　新たな道を求めて（一九四五年～）；第３章　古都の暮らし、人（一九五〇年代～）；第４章　奈良大和路の写真家として（一九五〇年代後半～）；第５章　新たな大和路を求めて（一九七〇年～）；第６章　十二人目の練行衆（一九四六～一九八〇年頃）；第７章　花は美の究極である（一九八〇年頃～一九九一年）；第８章　大和路に魅せられて（一九七五年頃～一九九一年）

入江　泰吉(イリエ　タイキチ)
１９０５（明治３８）年、奈良県奈良市に生まれる。１９３１（昭和６）年、大阪に写真店「光藝社」を開く。１９４０（昭和１５）年、世界移動写真展で「春の文楽」が一等賞を受賞、文楽の写真家として活躍。１９４５（昭和２０）年３月、大阪大空襲で自宅と店舗を焼失、奈良へ引き揚げる。同年１１月１７日、疎開先から戻る東大寺法華堂四天王像を目撃、アメリカに接収されるとの噂を聞き、写真に記録することを決意。以来、奈良大和路の仏像、風景、伝統行事の撮影に専念。１９９２（平成４）年１月１６日、８６歳で逝去。第２４回菊池寛賞受賞、勲四等瑞宝章綬章、第１９回仏教伝道文化賞受賞他（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）